ゆっくり飲んで、カップを置くと、おもむろに亮さんが

「…嫌だ」

と言った。


「……へ?」


「下の名前で呼ばせてはくれないのか?」

下の名前…!?


「え…!?え!?え!?」

し、下の名前で呼ぶって…『美香』って呼ばれることだよね!?

で、でも…それは…


ずっと黙っていた私に

「……ダメ?」

と亮さんが再び聞いてきた。

「えっと…あの…

………ダメです…ごめんなさい!!」


「そっか…ダメなのか…。理由とか聞かせてもらっていい?」