どれくらい池上仁に包まれているんだろか…



ずっとずっと抱きしめられていて居心地がいい。


あたしの心にまた光がさす。





ずっと離れたくない。


んだけど……



「ね、離れろ…」


「無理だな…」


「さっきからノックが鳴りやまないんだけど…」





さっきから『どんどん』と部屋のドアがなってる。



「っち…誰だよッ」



体が離れてちょっと心臓が落ち着く。


「んあ?…って、何しに来た?」


「な、な黒姫が来てるって??」


ズカズカと部屋へ入ってくる男。



黒髪のオールバックでずうたいでかくてしゃがれた声…

いかにも本物…。



本物は、あたしの目の前にズシンと座った。



「ヤッベー超タイプ…。
な、黒姫ってこんな可愛いの?」


あたしは本物の方にも有名らしい…



つうか、、

近いっ


「誰?」



「俺の兄貴…聖夜だよ…
つうか、あんまあげはに近づくんぢゃねぇぞ!」




「なんだあ?おめぇ仁と付き合ってんのか。」



「たった今…」


「んっだよ~な、コイツやめて俺にしろよ~。俺の方が金もあるし…テクも……」


「っバーカ!いい加減にしろ…。ったく女好きには困る。」



グイッとあたしを引っ張り、あたしを膝の上に座らせる。



「ちょッ降ろせ~」




あたしが暴れても、ギュッと体を掴まれまったく動かない。




「相当惚れこんでんだな…仁っ。」




「うっせえよ!つーか何しに来たんだよ!」




「あぁ、ちょっと親父に用があってこっち戻って来たら、黒姫が来ているって聞いてな~だから顔を拝みにきた。」



「……っち銀河のやろう…」




つか、この兄弟女好き…




「ま、仁が嫌になったら俺んとこ来いよ~」


そう言いながら、
またズカズカ出ていった。



「聖夜さんって…
熊みたい…」



「熊っつかライオンだな…」