「で、お前は?」


「…へ?」



「ま、さっき聞いちゃったけどな~。今更嘘とは言わせねぇけど…」



え…。



それって…。







「まさか!さっきの凛との話、聞いてたの?
いつから?」




「最初から?」


ニヤニヤニヤニヤ…

池上仁…、


歩、皐月後で覚えとけ…。



「あげはがやきもち妬くとはな~。アイツはただの店の女だ。
兄貴の経営している店の女。まぁ兄貴の顔使って遊んだのは間違いねぇけど…」



遊んでんぢゃん…。



ムッとしてるとグイっと顔を自分の方に向かせる。



……うッ近い…。


顎をもったままニヤニヤ…


「で?俺まだ聞いてないんだけど…あげはの気持ち…」



「…す…」


「す?」


ヤバイ。
心臓が半端なくドキドキしてる。



「…す、好き…………ッンッ……」


あたしがそう言うと、すぐに暖かいものが唇に触れた。


そしてそれは離れる事はない…



初めて愛を感じるキス…


優しくて甘いキス…。



どんどん深くなるキスはあたしを狂わせる。



池上仁の舌が入ってきて、変な感覚が体に走る。




「んッん……」



クラクラしだした時、チュッと言うリップ音と共にそっと離れた。




「よくできました。」




「……バカッ」




「で、俺と付き合ってくれる?」



あたしは真っ赤になりながら黙って頷いた。



それを見た池上仁はふっと笑い、あたしを抱き寄せた。


温かい優しさがあたしを包んでくれた。




恋愛っていうのは…



儚くて切ないぶん


幸せなこともあんだな…