「ここ俺等の場所なんだけど…」



「私だってここお気に入りなんだけど…」



そう言ってどかない女。


珍しい女だな…
ビビりもせずに、俺らをじっと見つめている。


「おい、仁~、どうした?」

歩むがそう言いながら、
皐月と一緒に俺たちのほうに来た。

「って、この子、黒姫じゃん……!!!」

その女を見た瞬間、
歩が驚いた声を上げた。



この女が黒姫…。



確かにこいつはただ者じゃなさそうだよな…。



そして俺は、を試した。


本気の拳を奮った。ふいうちで…。



なのに、その拳をひょいと軽々かわし、逆に拳が反って。




噂以上の女だった。
こいつには何かがある気がする。





さっきから何ひとつ変わらない表情といい、とにかく笑わねえ……。






だから俺はなんかこいつが気になって俺らの溜まり場へと連れって行った。