「で、それがどうしたんだよ。」



「実はさ、俺、昨日サラリーマン風の男に聞かれたんだよ。あげはちゃんの写真を持ってた。
多分中学の頃なもんだろ…
居場所知らねえか?って…」




聖夜が夏休み始めに言ってた話と同じだ…。



まさかとは思った。


最近、皐月からは聞かねえから諦めたと思ったが…



「知らねえって言ったよな?」




「あぁ。名前もなのんねえし、父親とも言わなかったからな…。
やっぱり父親なのか?」



父親…。


虐待して、さらにあげはの体を犯した人間が父親。


そんなやつ父親じゃねぇ。


アイツの光を奪った、
最低な奴だ。



きっとあげはは殺したいほど憎んだはずだ。



「たぶん父親…だと思うけど…
あげはには父親なんていねえんだ。
歩、皐月、そいつがあげはを探してる事、あげはに言うんじゃねえぞ!」



あげはを、大好きなあげはの光を…幸せを奪った人間なんか、会わせるわけにいかねえ…。


これ以上、あげはを苦しませるわけには行かねえんだ。



絶対…守るからな…。