最初は、普通に同じ道を行ってるみたいに思えて、何も気にしてなかったんです。
ですが、地下道を抜けてからも着いて来ているので、さすがにおかしいなと思い、帰る足を早めました。
帰り道に公園があるんですけど、そこを通って抜けた方が早いと思い、中心まで来た時です。
前方からも数人の男が来て、その瞬間でした。
後ろから、前からいきなり襲い掛かられ、何がなんだか。
それから男達が行った後、自力で公園から抜け出し、通りがかった人に助けてもらったんです。
――‐‐……
「そうして、僕は病院に運ばれた、という事です。」
私は山田さんの話しをメモをとり、ボイスレコーダーで録音してたのを止めた。
「話して下さりありがとうございます。」
そう言った後、秋先輩が口を開いた。
「知ってる奴はおらんかったんか?」
そこで思い出した。
そういえば、華那さんの時も同じ質問してたな。
そう考えている時に、山田さんは考え込んで答えた。
「知ってる人はいませんでした。」
「ホンマか?それに、襲われる心当たりは?」
次々質問を始めた秋先輩を見ながら、メモの準備をする。
