秋先輩の話しを聞いた山田さんは青ざめた顔をしながら、固まっていた。
「え、あの大丈夫ですか?」
いきなり顔を青くし黙り込んだ山田さんに驚き、声をかけた。
言った後、山田さんはハッとした顔をして言った。
「あ、はい…大丈夫です。あの日起きた事を言えばいいんです…か?」
少しの間どっかに意識がいって戻ってきた山田さんが言った。
「はい、よろしければですけど。」
聞くには一応相手に確認を取るのが礼儀、と誰かに教えられた気がする。
山田さんは暫く考えた後、ポツリポツリと話し出した。
「あの日は僕は塾の帰りだったんです…」
――‐‐…
「もうこんな時間か…」
その日は偶々迎えがない日で、電車に乗って帰ろうと思って、町を歩いてたんです。
暫く歩いて地下道を歩いているときに気付きました。
数人の男が後から着いてきていることを。
