毒舌姫と俺様クールな王子様




「で、警察には、相談せぇへんかったんか?」





今まで黙って聞いていた秋先輩が華那さんに聞いた。





「うん、未遂で済んだし、大事にはしたくなかったから…」





そう言って俯く華那さん。





「ふーん、まぁ大体聞いたし、次行くで。」





そう言って、スタスタ出て行く秋先輩を急いで追いかけた。





「華那さん、お忙しい中ありがとうございます。何か思い出したら、いつでも言ってきて下さい。でわ、おじゃましました。」





ペコッと頭を下げ、秋先輩を追う





「ハァ、…ハァ…ちょっと…待って下さいよ!」





歩く速度の速い秋先輩を走って追いかけ、言った。





ピタッと歩くのを止めた秋先輩は、くるりとこっちを向く。






「はぁ〜、何や疲れたわ…」




ふぅ、と息をつく秋先輩にすかさず突っ込む





「いや、あの、何もしてなかったよね?」





「ちゃうわ、…まぁそんな事より、次行くで!」





何故かいきなり元気になった秋先輩は、私を連れて次の目的地へと急いだ。






「あの、次は何処へ?」





私は隣に歩いている秋先輩に話しかけた。





「えっと…次は〜」





がさがさ紙を見つめ言った。





「ここから一番近いんは、病院やな…」





「病院…?…ですか。」





「あぁ、しかも、そいつが一番酷くやられてみたいやな。」





「そうなんですか。」





そう言った後、2人は病院へ黙々と向かった。