いきなり手を挙げた栗原君(夕君の方ね)に水崎は少し嫌そうな顔をしていた。



「ちっ、何だ?」



舌打ちしたよね?今。



そんな事はお構いなしみたいで、夕君は質問を始めた。



「七海ちゃんは、誰につくの?」


何て私には意味の分からない質問だったが、水崎は呆れたように、栗原君(夕君の方)を見ながら、言った。



「ハァ…だから、それを含めて今から説明しようとしてんだから、大人しく聞いとけ!」



「はーい」



夕君は軽く怒られてたが、気にする様もなく、黙って座っていた。



「途中、邪魔が入ったが、気を取り直して説明を続ける。」



皆表情は様々だが、黙って聞いている。



「これから瀬川がする仕事は、聞き込み兼、潜入捜査等の手伝いをしてもらう。」



水崎が言った後すぐに、笹崎さんが口を挟んだ。



「聞き込みはまだしも、潜入捜査は危ないんとちゃう?一応女の子やし、」



笹崎さんの「一応」という言葉に少し引っ掛かったが、この場の空気を読んで、あえて聞いてなかった事にした。