「何故謝るんだ?それより、明日は瀬川の仕事について話すから。じゃあ。」
それだけ言うと、スタスタ歩いて、帰って行ってしまった。
もう恥ずかしいし、この場にいるのも何かいやだから、まだ笑っている人達をほっといて、靴箱に向かった。
靴を履き替え、靴箱から出ると、いつのまにか後ろに遠山さんがいた。
ちょうど夕日が遠山さんを照らしていて、男に対して、こんな事思うのはおかしいけど、凄く綺麗な人だなって思ってしまった。
あまりに見つめすぎたのか、遠山さんは少し怪訝な顔をしていた。
「…どうした?……帰らないのか?」
「へっ、あっ、帰りますよ。」
いきなり話しかけられ、ビックリしたが、その場の流れで、校門まで一緒に歩いた。
「………」
「………」
何も喋らず、ただ歩くのは気まずかったが、今日1日の中で一番落ち着けた気がする。
