目の前の生で始めて見るリムジン。





顔には出ないけど、やっぱり驚く。





そんな中、車から出てきたのは、奏先輩。




「さっさと乗れよ。」




普通に出てきて話す奏先輩に私は唖然としつつ、突っ込む。





「どんな登場の仕方だよ…」




今回の一人ツッコミは誰にも聞かれてないと、思ってたけど、横に一先輩がいた。





驚きすぎて忘れてた…





「リムジンを見るのは始めてか?」





いつもの無表情で話す一先輩に向かって頷く。





「テレビでは見たことありますけど、…生で見るのは始めてです。」






「そうか……………なら、手を貸せ。」





…………?




突拍子もない言動に驚きつつも、(てゆうか、今日は驚く事多すぎ…)一先輩の差し出された手に、私の手を差し出す。





すると、私の手を引きながらスタスタと車の前まで行き、回りの皆が驚いている中、私を車に乗せてくれた。





「………?」





私もそこに居た皆も、さっき起こった事に理解出来ないようで、唖然している。




不思議な光景を作り出した本人はリムジンのフカフカの椅子に座って、無表情で外を眺めている。





そんな中、皆は我に返り、ぞろぞろと車の中に入ってきた。