「本当です。心当たりなんて、ありません。」
一応止めたがボイスレコーダーをすぐに付けなおして、今までの会話を録音しといた。
「ほな、ここまでやな、何か思い出したら、言うてや。」
「はい、分かりました。」
「今日はありがとうございます。でわ。」
そう言って、病室を後にした。
下までエレベーターで降りている時だった。
「ん〜…」
秋先輩がいきなり唸りだす。
「あの、秋先輩…?」
そう私が問いかけると、秋先輩は考えながら言った。
「何や、ひっかかってんねん。ここにな。」
そう言って、秋先輩は指で頭を指す。
「何かおかしな事ありましたか?」
私にはさっぱり分からなくて、聞いた。
「ん〜…、それが何なのか俺も分からんのや。」
エレベーターを降りた後、秋先輩は黙り込んだまま歩いている。
秋先輩が喋ってないと、何か変な感じだな。←失礼
病院を出たところで思い出す。
「秋先輩、アイスは?」
そう言うと、ハッとしたように考えるのを止め、さっきの難しい顔から一変、子犬みたいにキラキラした笑顔になる。
変わり身早っ!!!
「そうやった!!アイス!早よ食べに行くで☆」
いきなりテンションが上がる秋先輩に苦笑いしながら、着いていく。
