俺が恋をしたのは、
今から丁度、一年くらい前のことだ-…




**********




「ピンポーンッ」


朝早くから、
家のベルが大きく鳴る。


「…はい…?」


ガチャッ


ドアを開けると、
そこには宙音が立って居た。


宙音…


『瀬名 宙音(セナ ヒロト)』


俺の中学の時にできた、親友。

宙音は、
背が低く、
明るくて元気なヤツ。


「朝っぱらから無愛想な顔してんなぁーっ
謡は♪」


笑顔でそう言う宙音。


別に無愛想にしてるわけじゃない。

だけど、誰もが俺のことを無愛想だと思っているみたいだ。


「分かってるってぇw
別に無愛想にしてるんじゃねぇってことぐらいっ
冗談冗談♪」


…まぁ、
宙音は俺のことを、よく分かってくれる。

親友だからなのか、分からないけど…

感が良いやつだ。

バカだけど。

「んじゃ、早く行こうぜっ
入学早々、遅刻しちまうっ!」


「…あぁ。」


今日は高校の入学式だ。


高校生になるって…

なんか、ドキドキする。


「行ってらっしゃーいっ
謡~」


お袋が言った。


「…行ってくる…」


俺は、宙音と一緒に家を出た。