【短】せんせいってずるいひと




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私は高校1年で、先生は2年生の国語の担当だった。

だから、関わりなんて全然なくて。

交わした言葉は挨拶程度。



(私なんて、生徒として認識されてんのかも謎だし)




『では、続いて中津先生。お願いします』



「……、」


「美和っ。中津じゃん」


「…うん。そだね」



私の後ろに立っている親友の志乃は、私が先生のことを"かっこいい"と思っていたことを知っている。

"好きだ"ってことは…どうだろう。わかんない。



「………」



(私が告白なんて、なおさら無理だ)






『…皆さん、おはようございます』










…別れの言葉なんて聞きたくない。