「…聞いてた?」

「聞こえたんです」

「…そっか」

「…はい…」

「うん…」

「……」

「…」




お互い下を向いたまま、長い沈黙。




「…それ、持つよ」



先に口を開いたのは先生で。


「でも…」

「いいよいいよ」


私が持っていたゴミ袋を取り、ゴミ捨て場へ歩いていく先生の後ろ姿を見ていたら



「す、…!」




口から自然に出そうになった。




「え?」

「い、いや!なんでもないです…」



"好きです"って。




「………」




(答えは分かってるんだから)