「今までなにも知らずに相談しててごめん」

「いや、別に・・・」

「息苦しかったよな、
胸痛かったよな、
何も考えないで言いたいことだけ言って・・・」


「今更、」





勝手なこと言ってる。
だけど、
健也はインターホンを切ろうとはしなかった。







「俺頑張るよ」










不意に出た言葉。
俺らしくなかったけど、
なぜか
なぜか
なぜか
自然とでたんだ。





「そっか・・・頑張れ」








声が少し震えていた。
インターホン越しの健也は
どこか
弱く
もろかった。





夕焼け空が
沈みかけていて
もうすぐ夜空に移り変わるころ。
俺たちは
気持ちを初めてぶつけあった。


初めて健也の事を分かりあえた気がした。