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「香椎さーん」



名前を呼ばれ振り替えると、そこにはクラス委員長がいた。



「プリント出した?」

「あ、ごめん、まだー…」

「そっかー。なるべく早く提出してね」

「うん」



にっこりと笑ったクラス委員の衛藤さんはまたくるりと綺麗なプリーツスカートを揺らして去っていく。

プリント……、と思い出したのはの『進路調査票』のことだった。


(まだ高2だし、志望校とか決まってないし…)

内心でそう焦りつつ、



「…はぁ、」



行くか、と一人つぶやいて教科書を閉まった鞄を肩にかける。

そして少し早歩きで屋上に向かった。



大好きな先生に会うために。