「中空 憂斗だよ!!」 ついに口を開き、顔を真っ赤にして叫んだ時雨は教室中の視線を一身に浴びた。 「中空 憂斗?」 なぜここでアイツの名前が? 「だって、野郎も羨むあのルックス、加えてあの性格、この上ない家柄。知らねぇヤツも憧れねぇヤツもいねぇだろ」 …ふん。 あたしは知らなかったし憧れてもいないし。