慶が高校に入学して、送迎の車の中から偶然私を見かけたんだって。 私は全然気がついてないみたいだったけど。 それから、ちょくちょく見かけるようになって……、 「俺は、その頃進路のこととか、会社を継ぐこととか両親ともめてて荒れた生活してたんだ。そんなときに萌を偶然見かけた。 最後に会ったのはずいぶん前だけど、小さい頃と変わらないおまえを見て目が離せなくなったんだ」 そういうと、慶は私の肩に両手を置いて向かい合うようにして見つめる。