「どうして」 「俺は萌を守る。そう約束したろ?」 「でも、婚約は無しになったはずじゃ…」 慶はそっと私を抱き寄せて言う。 「それでも俺は、萌が好きで守りたいと思う。正直、俺も小さい頃の約束なんて最近まで忘れてた」 「えっ?」 忘れてたって――!? そのまま慶はこう続けた。