「放してくだっ……さい!!」 腕を振り解こうと体を捻ねる。後ろを向くと、小さく微笑む慶がいた。 さっき倒れそうになった私を助けてくれた。 なのに腕を振りほどくようなまねをしてしまった。 だから……、 追ってなんか来ないと思っていた。