「萌ちゃん?」 先輩も驚いたように私を見下ろして、その視線は続いて慶に注がれた。 「彼氏?」 私はハッとして、思わず慶を跳ね除けてしまった。 「違います!!なんでもないの」 「そう……あっじゃあ、もう行くね」 「はい、また」 ――「リヒトーー、どうしたの?」 宮原先輩の後ろから連れらしき人がやってきた。 でも、その姿を見て私は目を疑った。