その後、正式に婚約の話が白紙に戻された。


慶は自宅へは帰らず1人暮らしを続けると言う。


慶はもうすぐこの家からいなくなる――…


それは私が望んだこと。



でも――、



心にぽっかりと穴が開いたみたいで寂しい。


今さらそんな気持ちになるなんて――私自身その気持ちに戸惑っている。