まぁ、深く考えるのも
なんだか面倒くさい
気もするし…


「チェシャ、私ね。
どうしても思い出せない
記憶があるのそれが、
10年前のことで…」

「―アリスは」

チェシャが私の声を遮る

「アリスはその記憶を
思い出したいと思うの?」

「…私、知りたいわ
その一年に悲しいことが
あったとしても。
きっと楽しいことも
あったはずだもの」