しばらくボタボタと
涙を流していた女王は


不意に私達の方を向くと


わなわなと怒りを露にして

「許さない……!!」


とおもむろに王の杖を手に取って
私達にむける


「チェシャ猫!!アリス!!
こっちだ!!逃げるぞ!!」



フラフラな足取りで

私とチェシャの手を取り

一生懸命に走る帽子屋さん

その身体からはボタボタと
血が落ちていく


私もチェシャも
必死で走る