ゆっくりと目をあけて

チェシャを見上げれば


瞳からボロボロと
涙をこぼしていた



「チェ…シャ。どうしたの…」


ふと視線を王に向けると


王は
今にも眼球が飛び出してきそうなくらい目を見開いて

口からは泡をふいている



とても見ていられるような
状態じゃなかった

その横で目を閉じている
女王とジャック



「父様…?」


私がつぶやけば

隣でチェシャが


ごめんを繰り返す




あまり理解できていない状態で
まわりを見渡せば


残っていたはずの

召使や兵も全員倒れていた


どれもみんな
王と同じような死顔だった


「イヤァァアァァアァアアアァ!!!!!!」


と耳鳴りがするような声の
悲痛な叫びが女王からでる