「これじゃ、キリがないな…」
たくさんいた召使も兵も
二人の力により
半分くらいに減っていた
返り血をたくさん浴び
自らも傷を負っている二人は
もうそろそろ限界のようで
ハッターはカクっと膝をついた
「帽子屋さん!!!!」
白かった服も今では
赤黒く染まっていて
床も壁も全てが真っ赤だった
あぁ、
目がおかしくなってしまいそう
鼻もうまくきかない
頭がおかしくなりそう…
「仕方ない…か。」
チェシャがポソリとつぶやき
その血なまぐさい体に
私を抱き寄せた
「いいかいアリス。
俺につかまっててね
離れちゃダメだよ。絶対に。」
と私の耳元で小さくつぶやいた
「チェシャ…?」



