帽子屋さんの言葉を
聞こうともせず

それどころか


その言葉で

召使や兵は私達三人に
武器を向ける


帽子屋さんは剣で

チェシャは手で


私を守りつつも
戦っていた


二人とも強いから

抵抗をすることはできるけど


数の差がありすぎて
とても有利とは思えない


生暖かく、ぬるりとしたものが
私の顔をつたう



「…………血……?」



紅く、染まっていく


世界も。私も。