「…そうね」


思わず笑みがこぼれる

―アブソレムは
いつも正しいことは
教えてくれない

遠回しな答えを伝える

だけど、そのおかげで
考えることが
できるのかもしれない


―私だって

知らされた運命のまま
動くなんて嫌だもの


「…私、そろそろ戻るわ
皆きっと待ってる」


「あぁ。またおいで
いつでも君を
待っていてあげよう…」


「ありがとう。アブソレム
じゃあね」


目を閉じ
チェシャたちを思う

すると身体が軽くなった