恋の病


(静かに、静かにしてって!)

と、小声で真由はあたしを引っ張ると、

「飯田くん…!」と耳に囁いた。

「え…!!」

マジ…!??喋ったことは無いけど、話上手なのか、飯田の机辺りは飯田目当ての女子でいつも華やか。あと、イケメンって事も、"軽い"っていう事も知っていた。

自然と目についてしまう存在感っていうか、惹かれるのも正直分からなくもない。――――だけどやめた方が良い事は明らかに思えた。

「真由、真由の気持ちは本気ってのは分かるけど……やめた方が良いんじゃないかなって思うんだけど」

やはり真由は即座に言い返してきた。

「何で…?!?」

「何でって……あんま飯田って良い噂聞かないし。あいつ軽い事で有名じゃん。真由も知ってるでしょ…?」

「……でも、噂でしょ。本当かどうかは分かんないじゃん」

また俯いてしまった。
ふと、切れ長の瞳に涙が光ったように見えた。