*クリスマスのキセキ*

瑛斗の震える拳が、聖也を直撃した。



聖也の唇から、血が溢れる。



あたしは、両腕を広げて聖也を守るように立った。



怖くて震えながらも。



「どけっ!!!!!」



 瑛斗に力強く振り払われる。



それでも、聖也を守りたい!



「いやだ!」



 あたしも、瑛斗を睨みつける。



こんなに人を、睨んだことなんかない。



ちょっと前まで、好きだった人……。



「どけっ! つってんだろっ!!」



 瑛斗の蹴りが、あたしのお腹に飛んできた。



激痛が走る。



その後あたしは、瑛斗に突き飛ばされて、地面に倒れ込んだ。