「なんか、もうホントに『あたしたち普通の関係じゃないんです』オーラ出まくってるんだけど…」



家庭科の授業中。



同じ班の桜子は、卵白を必死に泡立てながら顔を赤くする。



「蓑島くんも落ち着いちゃってさ」



小麦粉をふるいにかけながら、あたしは言った。



「うん…何だろね。なんか、やっと意地張らないで預けられる感じ…」