小さい彼氏君◇



「それでな!したら…」


「あのさ…近藤君」

たわいのない会話を続けている中で
クラスの女の子たちが
近藤君に話しかけてきた

「ん?なにか用?」

「あのさ…あたし達近藤君と
仲良くなりたくて」

「うん。ありがとう」

「それでねアドレス
教えてくれないかなぁ?」

「いぃよ別に」

あたしの目の前で
近藤君とクラスの子達が
アドレス交換をしている

ただそれだけなのに
胸がチクっと針で刺されたような
そんな感覚がした

「あき?どうかしたのか?」

気がつくとクラスの子達はいなくなってて
心配そうにあたしの顔を覗き込む
近藤君が目の前にいた

「なっ、なんでもないっ!」

「そーか?それでささっきの話だけどな」

「ねぇ。近藤君」

「なんだ?」

「あたしも…
あたしの近藤君のアドレスしりたいっ」

「え…あー…ごめん」

「えっ…そ、そうだよね。
ごめんごめんあたしなんかに教えたくないよね」

「違うっ!!!そうじゃなくて…
そういうことは男から聞きたいじゃん…」

「え?」

「だーかーらー
俺から聞きたかったのに
あきが先に言っちゃうから!
…俺にアドレス教えてくんない?」