ブラッツ




「ねぇ、殺してよ」



はっとしてベットを見る。


少女はむくリと上半身を起こし、手を左右にめいいっぱい伸ばす。



「そのまま、 殺して?」


ビクンと体が跳ねる。


「あんたがソレで私を殺すんだよ?さっさとしてよ」

言って、少女は静かに目を瞑る。


少年は少女と銃を交互に見つめる。



俺が…

俺がこれで、この女を殺す…



じわりと銃を握る手が汗ばむ。



「さっさとしなよ。あたし殺せば、あんた逃げられるんだから」

少女は目を瞑ったまま、静かに告げる。