ブワっと突き刺すような風が吹き抜ける。 「あいつは…金さえあればいいの…よ…」 さぁーみぃー… 少年は手で腕を摩る。 「…あ?何か言ったか?」 少年は苦い顔で少女を見つめる。 少女は綺麗な長い髪を両手で押えたまま俯いている。 「…?おい…「何でもない」 「へ?」 スタスタと入り口へと向かっていく少女。 「ちょ…ちょっと?」 少年も小走りで少女のあとを追う。 あー? 一体なんだってのさ? グルグルと回る脳みそ。 今までこんなに脳を働かせたことはあっただろうか…?