「まあこれは後であげるから、とっとと海行きなさいよ」
「ってかさ何で海なわけ?寒いだろ」
少年は横目で少女を見る。
するとまたまた少女は普通に
「だって、殺されるには絶好な場所じゃない?」
フフフンと鼻歌をしだす。
・・・・・・・・
息が止まった。
ついでに心臓も止まったかもしれない。
少年は目を見開いたままストップ。
「何固まってんのよ。あたしを殺すっつー条件で助けてあげたのよ?分かってんの?」
「いやいやいやいや!!ぜんっぜん分かんないんすけど!!」
今にも泣き出しそうな声で少年は怒鳴る。
だってだって、俺がこの女を殺す?
無理に決まってんだろ?!
普通の人間なら無理だって!!
怖いって!!
「ぐだぐだ言ってんな。早く、とっとと海行けよ」
命令口調で告げる。
「いいから行けっつってんだろ!!」
バシンと少年の肩を殴る。

