「ぐずぐずすんな!誰か来たらどうすんの?」
少年の胸ぐらを掴みながら睨む。
うっ…と少し怯み、
「わ…分かったから分かったから!」
少女の腕を振り払った。
あー、もう。
なんなのさ?
「海行きたい」
………………………………、
「…へ?」
う…海?
真冬に?海?
「いいから海、向かって」
力いっはい少年を車に詰め込む。
な…
なんなの…?
少女はまたキッと少年を睨み、
「いいから行けって言ってんだろ」
……
なんで俺、こんなに奴隷扱いなわけ…?
少年は少女に気づかれないくらいの小ささで息をつく。
「分かったよ、海な?」
「うん、海行け」
勢いよく鍵を差し込んで、車を発進させた。

