ブラッツ




…な…なんとも古い。


少年がいた部屋は今にも取り壊されそうなほど、オンボロな部屋だった。


周りは工場だらけ。

ひと気はない。


辺りは真っ暗。


うわー

こえー!!!



ってかこれ…

この女に助けてもらわなかったら確実に俺、死んでたと思う。

気づかないって!こんなところ。




「早くして」

少女はバチっと少年を睨みつけた。


…こえー女だなぁ。

外見はいいのに…


なんて思ってる少年。



「あ、これ鍵。で、あれ車」

少年にポイと鍵を投げ渡し、真っ黒い車を指差す。


「えっ…え?!」


その車、確かもんっの凄く高いやつじゃ?

光ってるよ。

光沢だぁ。