ブラッツ




「ふぅー」


横を見れば顔の横に女の靴。

いつの間にっ…と少し驚いた。



ベリッ



女は少年の顔の横にしゃがみ、こうもあっさりと口を押さえていたガムテープを思いっきり剥がした。


「いってぇ!!馬鹿野郎!!」

「しっ!!」


女は少年の口を両手で塞ぎこむ。


「んぅ?!」


女は一度入り口を横目で見て、

「バレたらアウトよ」


ジャキンと鋭い音をたてながら、塞がれていた両手の縄を切る。


「静かにしてて」


ジャキンと両足の縄も切った。


少年は自由になれたことがなんだか嬉しくて。

「おぉ、サンキュサンキュー」


ゆっくりと立ち上がった。