まあ、確かに話したくはないけど、そこまでストレートに言われたら、まるで僕が悪者みたいじゃないか。

「そんなことは……ないよ」

「そうなのね」

 威圧的な口調は、やめてほしいものだ。全く。

「あんた、嘘が下手なのよ。何でそこまで嘘が下手なの?」

 そんなこと言われても困る。

「……でも……だから…」

 だから…?何だ?ま、いいか。
 藍原馬鹿野郎独裁者の話より、今はここからどう抜け出せばいいのか、考えなくてはならない。
 取り敢えず、お腹がすいた。ラーメンでも食べたい。

「…好きなのよ」

「? ラーメンが?僕もラーメンは好きだけど、いくら何でもここにあるはずはないよね。今はどうやって抜け出すかを考えよう」

「それ、天然でやってる?」

 冷めた口調の藍原馬鹿野郎独裁者。どうやらラーメンではないらしい。バナナかな。

「取り敢えず、藍原さんが何を好きなのはこの際どうでもいいから」

「どうでもいいの!!?」

 だって、興味ないから。

「あんたって、今まで彼女出来たことないでしょ?」

「何で知ってんの」

 やはり、藍原馬鹿野郎独裁者は、超能力者らしい。

「全く、女心が分かってないもね。好意がある女子がいても、あんたが無下に扱ってるから、出来ないのよ」

 好きなのは、ラーメンじゃなくてケーキというわけか。成る程、女の子ならラーメンよりもケーキが好きなはずだしな。どうやら僕は、テイストがおかしいらしい。

「てか、僕に好意ある女子があるわけ?」

 顔は不細工だし。性格も悪いとなれば、壊滅的だ。
 僕はもしかしたら、二度と恋人が出来ないかもしれない。