始まる…。





そう思ったとき、蓮くんがいきなりあたしを抱きしめた。







「蓮くん!?奈留ちゃんとか見てるっ!」

「うるさい。」






うるさいって…。





あたし真っ赤だよ?







少しして離れた蓮くん。







「よし。やるか。」

「うん!」

「目、瞑って。」

「うん…蓮くん。」

「ん?」

「手、握って?」







軽く笑った蓮くんは、優しく手をつないでくれた。








「行くぞ。」

「…。」

「『記憶、もどれ!』」