君の手。僕の手。


「…でさぁ、…だよな?」

「あッ、ごめん聞いてなかった!」

「…」

先輩の顔を見ると真剣になっていて…


思わず顔を下に向けた。


心臓が…痛い。


ドクンッ…

ドクンッ…


先輩の手がそっと私の頬に触れて顔をあげた。


先輩と目が合うと痛いくらい鼓動が早まっていた。

目をつむって先輩の制服をぎゅっとにぎって…


ごつっ…


「いてっ」


目を開けると先輩が笑って見ていた。


「ばーか」


期待した私がばかだった。

恥ずかしくて…顔がほてっていた。


「璃香は俺の女になれ!」

夕日が眩しくて先輩を直視出来ない。

先輩、私に何て言ったの。

頭の中が真っ白のまま私は"はい"と言った…


ぐっと腕を引かれ先輩の胸元に引き寄せられ抱き締められた。



「好き」



耳元に熱く熱く吐息混じりの声が響く。


体を離すとゆっくり顔を近づけた…


それから急に心を開いてたわいもない会話で笑っていた。

先輩と2人でたくさんわらった。

"このままずっと一緒にいたい"

あっという間に時間は過ぎて夜になっていた。

暗くなった道を先輩と手を繋いで歩いて家まで送ってくれた。