春の暖かい風に包まれて思わず伸びをした。 桜の花びらがヒラヒラと落ちてきて一枚素早く空中で捕まえた。 「佑希ぃ、見てみて♪」 俺の少し前を歩く佑希を呼び止めて手の平の中に閉じ込めた花びらを見せてやった。 佑希はつまんなそーにそれを見つめ 「キモい玲大、ニヤつき過ぎ。」 と俺に冷たく言い放つ。 キモいはねーだろ キ・モ・い・は! この毒舌女め!