糸を手繰って

帰り道、手を繋ぎながらたくさん話した。


先輩はあたしのことをかなり前から知っていたらしい。


リンカの話には必ずあたしが出てくるし、学校でリンカを見かければ必ず隣にあたしがいたから。


ある日、廊下ですれ違った時に急にお互いの右手の小指が光りだしたのを見たそうだ。


見えるのは二人の糸だけ。他の人には付いていない。


それからは気になっちゃって、何とか知り合いになろうとリンカに頼んだり、話し掛けるチャンスを狙ってたんだって。


昨日はベストタイミングであたしが声を出してしまったってことだ。


そしてあたしたちはようやく出会うことができたんだ。


“運命”がわかってしまったあたしたち。


だけどあたしは先輩に言った。


『もしも先輩が運命の相手だったらうれしいな。だけど、やっぱり先輩のことをたくさん知ってから付き合いたいの。あたしが先輩のことを本気で好きになったら、今度はあたしが赤い糸を引き寄せてみせるから。』


『それって、どんだけかかんの?』


『んー、何年かかるかわからないかも。だけど運命だったら必ず結ばれるでしょ?』


『そりゃあなぁ。けど振られた気がする。今は付き合えないってそういうことだろーが。』