糸を手繰って

先輩はしばらく考えたあと、あたしの目をまっすぐに見て話しはじめた。


『ここにミッチーを連れてきたのは、オレの思ってることをちゃんと話さなきゃいけないと思ったから。だから話すよ。』


『うん。』


『オレはミッチーをただのオトモダチじゃなくて、もっと仲良くなりたいと思ってる。』


『それって 』


『好きなんだ。ミッチーに会ったのは昨日が初めてだったけど、それで今までの気持ちがはっきりしたんだ。カレカノになれたらいいとオレは思ってる。』


『だけど、何ていうか。』


『ミッチーにとっては昨日初めてオレのことを知ったんだから、すぐには考えられないだろ?だからしばらく待ってる。』


『うん。』


先輩は優しく笑ってあたしの右手を取った。


『待ってるけど、オレたちにはコレがあるから、信じてる。』


そう言って互いの小指を絡ませた。


まさか!先輩にも?!



『先輩!見えて、る?』


何も答えずに笑っている先輩にそう確信した。


途端にフツフツと湧いてくるたくさんの思い。


戸惑いながらも心地がよくて、しばらくあたしは先輩を見つめていた。


周りの喧騒も気にならない。


絡み合う指につながり輝く糸。


それはとても美しいもので、飲み込まれてしまいそうだった。