糸を手繰って

『昨日の朝はなんだか怖そうな人だと思ったんです。』


『はっきり言うなぁ。』


『ごめん。』


『いや。それで?』


『だけどその後一緒に帰ったら、優しくて、話しやすくしてくれて。だけど途中からからかわれてるんだと思えてきて。軽い人なのかなって。』


『またまた直球だね。』


『すみません。』


『続けて?』


『それで、今日はまた違った。だからなんだかイライラしちゃって、怒っちゃったんだけど。うまく言えないけど、さっきナルセ先輩に会ってからが素の顔なのかなってあたしは思います。違うかな?』


『ミッチーも今が素の顔だと思う。思ったことを正直に言って、きっと家族にはそんな感じなんだろ?』


『言われてみれば、そう、かも。』


『じゃあお互いにどんなヤツかわかったってことで。一つ前に進んだな。』


ん?なんか大事なことを忘れてるような。


『ねぇ先輩。あたしとはオトモダチにならないんじゃなかった?』


『あぁ、まぁ、そう言ったな。』


『じゃあどうして?』


『そこ、やっぱ聞いちゃう?』


『だって。そこがわからないと、ただの変な先輩だってあたしの中では決めちゃいますよ?』


『ははっ。それはやだ。』