退屈な数学の時間。 私はそーっと隣の彼、“小川朔斗くん“を盗み見る。 …スースーと規則正しい寝息を立てて、すっかり夢の中。 これで成績もいいなんて、うらやましすぎる。 先生に指されても、一向に起きる気配はない。 ……疲れてるのかな? でも、いい加減先生の苛々が爆発しそうなので、起こしてあげよう。 「小川くん、指されてるよ。」 ……起きないな…。 こうなったら…。 小川くんの耳に口を近づけて、 フーッ 息を吹き掛けた。