「あれ…?」


私は隣の席に誰もいないことに気付いた…。

一番後ろの窓側の席。

机があるということは、きっと誰かいるのだろう。

でも初日から遅刻って…。


その時


ガラガラ…。


後ろの扉から、男子生徒が堂々と入ってきた。


「おい。時馳!遅いぞ!!」

「すみません。」

時馳【ときじ】と呼ばれたその男子は。


綺麗な黒髪に

透き通るような青い瞳

すらりとした身長


あまりにも整いすぎて、見とれてしまった…。


初めて見るその男の子は

迷わず私の隣に座り


私を見て、驚いた顔をした。


そして短く、「よろしく」

そう言って座ったんだ。