ただ逢いたくて…




なんとか、間に合い席に倒れこむ。


「おはよう。詩音が遅いなんて珍しいじゃん」


親友の愛瑠【あいる】が心配そうに、覗き込んできた。

「ちょっと桜に惚れちゃって。気付いたら、30分もたってたんだよ。」


「なにそれ。詩音らしい」

と言って笑い出した。


「そんなに笑わないでよぉ。」

「ごめん、ごめん。だって可愛すぎて。」




「席つけよー」


担任がびっくりする程大きな声で入ってきた。


心臓止まるよ…。

そんな私の気持ちもおかまいなしに、先生はホームルームを進めていく。