ぼ す っ

「?」

突然パスされていた箱が僕の胸に当たり、床に滑り落ちた。

「おいおい・・・」

僕は箱を手に取る。

リボンが取れかけていて、中身が飛び出しそうだ。

「おい、五月女に当たったぞ!誰だよ投げた奴!!」

「煤羅っ」

顔が強張っている男子を横目に、胡葉が駆け寄ってきた。

「よかったぁ!盗られそうになっちゃって・・・」

「大丈夫か?」

胡葉は少し困ったように笑った。

「あたし背ちっちゃいし、届かないしっ!ホント遊ばれてるよね」

「だな」

顔を上げると、男子達と目が合った。

「やっ・・・・べ!シメられるぞ!」

その言葉が言い終わらないうちに、男子達はバタバタと慌しく教室から出て行った。

胡葉は小さく悲鳴をあげる。

「あ~、ラッピング崩れちゃった」

「あのな、ただでさえ小さいんだから・・・」

「まあこれくらいなら許してくれるよね」

胡葉はにっこりと微笑んだ。

「今度は盗られないうちに渡しとけよ」

くるりと胡葉に背を向け自分の席へと進んだ。